AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略語で、日本語では男性型脱毛症と呼びます。
男性型脱毛症とは、男性ホルモンであるテストステロンが原因となって抜け毛が起こる疾患で、いわゆるハゲと呼ばれる症状となります。
AGAクリニックは、本格的に治療するとなれば高額な費用がかかります。
まずはAGAに関する正しい知識を学び、最適な対処法を選ぶことが大切です。
AGAが発症する仕組
AGAが起こる仕組みとして、頭皮の内部で以下のような事が起こっています。
睾丸より分泌されたテストステロン(男性ホルモン)が血液を通って頭皮に行き着くと、毛乳頭や皮脂腺に分布している5αリダクターゼという酵素に結合されます。
5αリダクターゼの作用により、テストステロンはジヒドロテストステロン(DHT)という強力な男性ホルモンに変わります。
そしてこのジヒドロテストステロンが毛乳頭にあるアンドロゲンレセプター(男性ホルモンを取り込む部位)に結合され、脱毛因子「TGF-β(トランスフォーミング増殖因子)」という物質が生成されます。
脱毛因子「TGF-β」は毛乳頭および毛母細胞の活動を抑える物質で、退行期誘導因子とも呼ばれます。
この因子からFGF-5(脱毛に影響するタンパク質)を通じて、「育毛を抑える」という指令が脳から毛乳頭に送られます。
この司令が送られると、毛髪への栄養は必要なしと判断されて毛乳頭への血流が滞ります。
栄養不足となった毛髪はあまり成長せずに退行期となってしまうため、細くて柔らかい軟毛となります。
最初は頭頂部や額の生え際(M字)の毛髪が軟毛となり、症状が悪化するにつれて範囲が広まっていきます。
軟毛はすぐに抜け落ちてしまうので、次第に抜け毛が増えていき、毛髪の密度がなくなって薄毛状態となります。
ヘアサイクル(毛周期)
毛髪は一定の周期で伸び、そして生え変わっています。
ヘアサイクルとは、1本の髪の毛が生え始めてから抜け落ちて再び生え変わるまでの周期を指す言葉です。
毛髪はずっと伸び続けるわけではなく、一定の期間で抜け落ちて生え変わります。
髪の毛が伸びる早さとしては、平均的に以下のペースで伸びます。
1日:0.3〜0.5ミリ
1ヶ月:約1.2センチ
1年:約15センチ
また、ヘアサイクルは大きく分けて以下の3つに分類されます。
成長期
毛髪が生え始める時から、成長が止まるまでの期間を指します。長さは通常は2〜6年ぐらいで、毛髪全体の85〜90%は成長期の髪です。
退行期
毛母細胞の分裂が急激に少なくなり、成長が止まる期間です。色素細胞の活動も弱まり、毛髪と密接な関係にあるメラニン色素の生成もなくなります。長さは約2週間です。
休止期
完全に毛母細胞の分裂が終わり、毛根が退化してしまう期間です。毛根の位置が次第に浅くなり、次に生え変わる毛根に押し出されるような形となって、最終的に髪の毛が抜け落ちます。長さとしては約3〜4ヶ月です。
ヘアサイクルのうち、ほとんどの期間は毛母細胞が分裂を繰り替えて髪が伸びていく「成長期」となります。成長期が長ければ長いほど、髪の毛は太く長くなります。
AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が増加すると、脱毛因子によって脳から毛乳頭へ「育毛を抑る」という指令が送られます。
すると頭皮への血流が滞り、毛乳頭に十分な栄養がいかなくなって成長期が大幅に縮んでしまいます。
毛髪が太く長くなる前に成長が止まって退行期に入りますので、通常時の太くて長い毛(硬毛)に比べて細く柔らかい毛(軟毛)となります。
抜け毛に軟毛が含まれていれば、AGAによってヘアサイクルの成長期が縮んでしまった結果です。 |
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